ろけぷれ!
名匠市川準監督 追悼1周年 DVD発売記念「つぐみ」スペシャルだ~~~
西伊豆の海辺の町で、ひと夏を過ごした少女たちを新鮮なタッチで描き、150万部を超える大ベストセラーとなった吉本ばななの「TUGUMI」。社会現象にまでなったこの原作をCM界の鬼才・市川準が見事に映像化。爽やかな感動で日本中を席巻した青春映画。同年の毎日映画コンクール監督賞、キネマ旬報ベスト・テン第9位に輝いた。主役の三人娘には、JR東海のクリスマスエクスプレス等、数多くのCMに出演していた牧瀬里穂、「北の国から」蛍役の演技派・中嶋朋子、そして白島靖代。つぐみの恋人役に真田広之。
生まれつき身体が弱く、甘やかされて育ったつぐみ(牧瀬里穂)は、我がままな18才の少女。しかし死の恐怖と背中合わせの日常を送っているせいなのだろうか、その不思議な生命力にまりあ(中嶋朋子)は引きつけられるのだ。東京で大学生活を送っていたまりあは、つぐみとその姉の陽子(白島靖子)に招かれ、高校まで過ごした西伊豆へ渡る…。
茶柱:いやあ、さぶいねえ!
ナカ:え?
茶柱:さぶいていってるのよさぶいって!
ナカ:あのお、毎回さぶいんですよ先生といると。今回に限ったことじゃありません。
茶柱:おお、そういうこっちゃね!
ナカ:納得してどうする! 反省してください。
茶柱:だって寒い方がええじゃろ、地球温暖化だから。COP15もたいへんじゃったよ!
とどのつまりはさ、松岡修造が熱くしている分、我が輩がさぶくしてちょうどええわけだろ!
ナカ:わけわからないですが、進めましょう。
茶柱:そういうわけで今回は追悼!市川準!
ナカ:市川準さんといえば昨年亡くなった日本映画屈指の名監督さんだった方ですよね。「BU―SU」や「会社物語 MEMORIES OF YOU」「トキワ荘の青春」etc…
茶柱:そうじゃ、元々はCMディレクターとして名を馳せた方だが、後に映画監督になって成功を収めた人じゃね。
ナカ:CMだと「私はコレで会社を辞めました」って奴ですね。

わざわざ写真撮るほどでもねえっしょ!
ってまあそういわずに……
茶柱:んだんだ。禁煙パイポだねえ。
ナカ:でもセンセ、こんな写真いらないとおもうんですが……。
茶柱:馬鹿をおっしゃりなさい!
こういうコネタがあるからこそ、読者がよろこぶんじゃろお~~。
ナカ:更に番組は続きます。(タンスにゴンもよかったねえー)
茶柱:軽く流しおって……。
気を取り直しさあ、始めましょう!
その市川準監督の数々ある名作の中でも茶柱がベストワンに選んだのが今回紹介する「つぐみ」って訳だ!
ナカ:よしもとめろんさんの原作ですね。
茶柱:よしもとみかんさんだ!
ナカ:よしもとみよこだろ!
茶柱:それじゃあミッチョンじゃん、ミッチョンといえばミッチョンインポッシブル!
ナカ:…もういいですか。
茶柱:うむ。よしもとばななさんの名作「TUGUMI」の映画化。これがいいんです。
ナカ:西伊豆の松崎が舞台の叙情あふれる素敵な作品でしたね。
茶柱:んだんだ。牧瀬里穂ちゃんがういういしいだんわね。

「つぐみ」 (C)1990 松竹株式会社
※まさに新星誕生の瞬間ざましたね!
牧瀬里穂ちょ~キュートざんした。
茶柱:ちょっと性格がひんまがったつぐみを好演してましたよねえ……。ぐすん
その昔。この作品をはじめて試写会でみたとある金曜日。もうこの撮影場所にいきたくなって次の日の土曜日にバイクで松崎まで飛ばしてったことよおおうくおぼえてるんだよね。なんだか懐かしゅうてねえ。ふと過去を思い出した。
ナカ:あらまあ、ここは先生の特別な思い入れのある場所なんですね。
茶柱:初めていった場所なのに何故か懐かしい。しかも暖かい。そんな雰囲気がある。
この「ろけぷれ!」という企画もこの「つぐみ」を紹介したい! という一念でやってきたものですよ~。というのも今までDVDが発売されておらず、なかなか紹介できなかった……
しかし市川さんが亡くなって一年経ち、こうして「つぐみ」もDVD化されやっとのおもいでご紹介出来るようになりやんしたのでありんす……。
ナカ:ほほおおお。そういう事でしたか……。
茶柱:んだんだ。舞台は西伊豆。
ナカ:日本のプロヴァンスですね。
茶柱:そうだねえ、なんか温暖な気候で素敵な場所だね。その西伊豆に位置する松崎こそがこの「つぐみ」のメインステージなんだなあ。

ほんもんの旅館ですよ
その名を梶寅

よくみっと「つぐみのお宿」だよ
ナカ:ん???でもってここのお宿なんざんすか?
茶柱:よくぞきいてくだっしゃった。
こここそ、「つぐみ」の家。そうつぐみのお宿じゃ!
ナカ:ホンマにつぐみのお宿って書いている。
茶柱:そそ、ここで正真正銘、つぐみが撮影されたんだよね。本当のお宿の名称は「梶寅」さんといって由緒ただしいお宿なのだ。地元のおじーちゃんに尋ねたところ、「撮影当時は毎日凄いたくさんの人たちがこの場所に集まって賑やかじゃった~~」と言っておった。撮影もここがメインでしかも実名の「梶寅」という名前で映画にも登場するのであった!
ナカ:身体の弱いつぐみちゃんが育った処ね!
茶柱:でもってつぐみと姉の陽子が幼い頃一緒に過ごした女の子、まりあが東京からやってくるフェリー発着場がここ松崎港。

黄昏の松崎港。
撮影当時はここに「こばるとあろー2号」が接岸。
だがあのフェリーはもう就航していない……。寂しいねえ。

つぐみのお宿の裏手。なんかいいでしょ
ナカ:なんだかいい雰囲気の街ですね!
茶柱:ええじゃろ!これみてみい松崎名物なまこ壁だらけじゃろ

なまこキタ~~~

なまこ来る~~
ナカ:あらま本当になまこ壁だらけですねえ。
茶柱:そそ、白い漆喰の盛り上がりがなまこさんに似てるのでなまこ壁っていうんだよねえ。
ナカ:へええ、メモッとこおお……。
茶柱:お次はここ。夏祭りで賑わう人々が行き交うときわ大橋。この下で灯籠流しがありましたねえ。

ときわ大橋!
つぐみちゃんたちが浴衣であるいていたよね。

撮影当時は綺麗だったよねえ……。今ぼろぼろや。

松崎のバスターミナル。
ここもなんかいいぞ~
茶柱:ここが、まりあの父あがた森魚さんがやってくるバスターミナル。
ナカ:ああ~~雰囲気あるあるでございますねえ。
茶柱:まりあはフェリーで、父はバスでやってくるあたりが市川準シネマらしいよねえ。

まりあと、父親がぼけええっと海を眺める壁付近。
向こうには元松崎プリンスが……
茶柱:いやあ、こりゃまた懐かしい風景どす。
ココね、撮影当時はまだこの階段などなく、ただののっぺりとした壁じゃったのね、昔は遠くに見えるホテルは、松崎プリンスといって夕陽のきれいなホテルでしたね。
ナカ:今では伊藤園ホテルに名称がかわったんですねえ……。時代ですねえ……。
茶柱:そしてつぐみと淡いロマンスを語るのが恭一(真田広之)。その恭一は長八美術館のキュレーターなんですわ。
ナカ:長八美術館??

これまたエエ感じのバス停

長八美術館の全景
茶柱:そそ、江戸から明治にかけて活躍した名工、入江長八を記念して建てられた美術館です。
ナカ:いまでも多くのファンがこの地を訪れるんですねえ。
茶柱:左官職人だった長八は漆喰でなんでもこさえちゃう凄い人……。
美術館には彼の工芸品。いや美術品がたああくさんあります。

白亜の美術館!
それにしてもモダンなたてものだっしょ!
茶柱:漆喰といえばフレスコ画で有名なイタリアルネッサンスの匠、ミケランジェロか、長八か??ってなところですかねえ。最近外壁を塗り替えしぴっかぴっかになっちゃたんですん。
ナカ:いろいろと松崎を巡りましたねえ今回は……

高輪の国道一号沿いある明治学院大学のランドマーク!
チャペルじゃ
茶柱:おおいおい。まだ終わってないど~~。
ナカ:おや?? これはチャペルですか?? こちらも西伊豆に?
茶柱:ちゃうわああい。まりあが通う大学がここ、明治学院大学なのだ。
ナカ:へえ、そうだったんですか、なんか趣がありますねえ。
茶柱:大学は普通4年なのに、ワシはここを5年通った……。
ナカ:げげ、先生の母校?? しかも5年ってアンタ。留年?落第???
茶柱:手形小切手法の単位が3年も取れずに・・・がびーーん。その昔はMEIJI GAKUIN 5年をもじって。MG5組と呼ばれていた頃が懐かしいわい!まあそれはさておき今回はつぐみの舞台をご紹介いたしました。
ナカ:はああい。では次回はろけぷれ!ニューヨーク編。「ティファニーで朝食を」をわたくしナカがお伝えいたします~~。
茶柱:んな訳ねえだろ!
P.S.

松崎の町になぜかユニオンジャックとビートルズの写真。
不思議な町だねえ。しかも塩……。

松崎からちょいと山側に入ればのどかな風景もいっぱい。
写真は伊豆の踊り子さん
と、いうことで今回は我が青春の地、松崎を舞台にした「つぐみ」のろけぷれでごじゃいました。
みなさまも是非、この地を訪れた際には「つぐみ」のロケ地めぐりをしてみてちょうだいね。
DVDも出たことだしみんなで見ましょう!!!!!!!
TEXT BY 茶柱 達蔵