ろけぷれ!
アドヴェンチャーアクション「ローレライ」の舞台を探れ!
『ローレライ』
監督: 樋口真嗣 原作: 福井晴敏 脚本: 鈴木智
出演: 役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇 堤真一
茶柱: がっははーい!
ナカ: それいうなら「ばっははーい」でしょ! しかもそれは終わりのセリフ!
茶柱: 晴れ~~た空~~そーよぐかぜい~~♪
ナカ: なんか一人でいい感じですね茶柱センセ。
茶柱: ふっふっ、いい感じだろ!
最近頭皮マッサージして抜け毛が少なくなってきてるからね。
ナカ: ほほー。ハゲメンでなくなったと? 見たところあまり変わりはありませんが。
茶柱: 増毛だよ時代は!
ナカ: ヅラじゃないんですか?
茶柱: それも考えたが、まだダイジョウビだ。
ナカ: ヅラで躍って歌えば?
茶柱: そりゃあまるでタカラヅラ過激団じゃん!
晴れ~~た空~~そーよぐかぜい~~♪
ナカ: これ以上やると読者にさらに嫌われます!
オラー早く始めろ! 文化の無駄遣いはやめろぉ!
茶柱: すんまそん……。
ナカ: で、今回は一体どこへ?
茶柱: へっへへ、晴れ~~た空~~そーよぐかぜい~~♪
ナカ: それやめんか!う~!
ん、ひょっとして? 憧れのハワイ航路?
ひょっとしてハワイ取材ですか!?
茶柱: へっへへ、ちょいと近い。
グアムの隣のサイパンの隣だあす。サイパンからフェリーに乗ってここについた~。
ということで今回は冒険小説「終戦のローレライ」を映画化した「ローレライ」の舞台だす。
茶柱: ここはテニアン島といって「ローレライ」のラストに日本軍とアメリカ軍が壮絶なバトルを繰り広げる場所なんですわ。
ナカ: ローレライってどんな内容でしたっけ?
茶柱: なんじゃ知らんのか?ではちょっちストーリーを話そう
――第2次世界大戦末期。1945年8月。役所広司演じる海軍少佐の絹見はは戦利潜水艦〈
伊507〉の館長に命ぜられる。そしてその使命とは?原子爆弾を搭載した輸送船を撃沈することだった……。
ナカ: ふむふむ。でも先生なしてテニアン島なんですか?
茶柱: 大戦当時、テニアンや、グアム、サイパンといった現在の北マリアナ諸島は日本軍が占領していたのだが、まあご存知の通り、戦局が悪化した大戦末期にはアメリカ軍の手に……。
ナカ: 原爆とテニアンの関係は?
茶柱: うむ。アメリカ軍が秘密裡に原子爆弾を造りだし、戦争終結の切り札として極秘にテニアン島に運んでいたんだね。
ナカ: ほほお、そこから日本へ?
茶柱: そそ。原爆を搭載したB29が日本本土へと向かったわけだ。
ナカ: そして原爆投下……。なんだか複雑な島ですねこのテニアン島って。
茶柱: 原作、及び映画は多分にフィクションだが、ある程度のバックボーンは目をそらせない現実があったわけですよ。テニアンという島を知ったのがスピルバーグの「ジョーズ」という映画でね。原爆を搭載したアメリカの軍艦が島への極秘輸送を終え、アメリカに帰航途中日本の潜水艦によって撃沈させられる……。というエピソードをロバートショウ演じる鮫退治の船長ことクイントが言う。
ナカ: ああ~。その軍艦の生き残りっていう、話ですよね。
茶柱: そそ、あれからずっと、なぜだかこの場所が気になってどーしてもいきたくなっていっちゃったのだ!
ナカ: 広島、長崎へ人類が産んだ最も恐ろしい武器、悪魔の兵器がここから飛んでいったんですね。
茶柱: 忌まわしい過去の出来事。風化させたい気持ちも多分にあるが、やはり忘れてはならない!という思いに駆られる。テニアン島には、いくつかの宿泊施設があるのだが、取材ではテニアンダイナスティというホテルに泊まりました。
ナカ: 結構、いや、かなりゴージャスなホテルじゃないですか!
茶柱: うぬん!複雑な気持ちだが、アジア資本のこのホテル、日本、韓国、中国、アメリカ。多種多様な人たちで溢れてました。なんと、カジノまであるんですう。
ナカ: 海、キレイですね。
茶柱: おお、その昔、日本の飲料メーカーがここでコマーシャルをとったんだ。透き通ったビューチフルな海だった。海中もほんと、キレイ!シュノーケリングも楽しい!個人的にはフィジー(MANA 島ですが。。)よりきれいだった気もする。
ホテルから、延々、一本の道を辿っていくと、そこには第2次世界大戦の爪痕がいまだに散らばっている。
茶柱: そしてテニアン最果ての地にはアメリカ軍の基地がありそこから少し行くと、テニアンの飛行場がある。
ナカ: ここがその飛行場ですか?
茶柱: 正確には飛行場だった訳です(現在は使用されていない)。
ここがノースフィールド飛行場。曰く付きの飛行場なのだ。
ナカ: 曰くつきって、いったいどんな?
茶柱: 大戦中は、この場所は、日本軍が占領していてここを南方を攻め入る拠点にしようとして、日本軍の手によって大きな飛行場を作っていたわけです。運命の皮肉というか、戦争の悲惨さはまさにここにある。
ナカ: 何故ですか?
茶柱: ご存じの通り、大戦が長引くにつれて、日本軍は疲弊し、この地もアメリカ軍の手に落ちる。結局のところ、飛行場はアメリカ軍の手によって大型爆撃機の基地となった……。
ナカ: そうなんですか、日本軍が計画し、着手した飛行場を、アメリカ軍が日本を攻撃する目的で……。まさに悲劇ですね。
茶柱: うぬん。見てください。ご覧の通りかつての飛行場は当時のまま残っています。
あくまでも噂だけれど、ここにはぺんぺん草も生えないって……。
ナカ: そうですよね、普通ならアスファルトから草が生えていたり傷んでいたりするものですよねえ。
茶柱: まあ、とにかくここに立ったときは、思わず身震いしたよ。自分は広島の原爆ドームや、アウシュビッツ収容所と同じように負の遺産だと思っている。
ナカ: テニアン島って今では華やかな、グアムや、サイパンからこんなに近い距離にあったんですねえ。しかもそんな悲しい歴史を背負った場所だったなんて知りませんでした。
茶柱: うん。でもここもグアムと同様にリゾートとして素敵な場所でもあって多くの観光客で賑わっています。青い海と青い空。シュノーケリングにもダイビングにも素敵な場所です。もしもみなさんがこの場所を訪れるようなことがあれば少し足を伸ばしてこの飛行場を訪ねて手を合わせて欲しいと思います。
この悲劇は決して繰り返してはいけない、そういう思いでね。