八王子居酒屋ひとり酒
八王子の屋台で飲む
気軽なおでん屋は庶民の冬の楽しみだ。
JR八王子駅から徒歩約7分、西放射ユーロード沿いのおでん屋台(さんかく)に入った。
ここのおでんの特徴は、ずばり関東風の醤油本位、醤油味のおでんつゆで煮た濃い味だ。
その汁を飲めるように薄味にしたのが関西おでん。
関西のうどん・かけそばつゆは透明で、そのイメージだ。
では注文。
「燗酒、豆腐、大根、昆布」「はいよ」。
届いたおでんをふうふう吹いて食べる、よく味の染みた大根の味よ。
二杯目は日本酒をおでんダシで割った【おでんダシ割】。
かの有名な赤羽の立ち飲みおでん(丸健水産)を参考にしたのだろう。
今夜はおでんで一杯は如何?
居酒屋で「おでん」。おでんで一杯、いいでんな。
おでんは単純な料理だけに地方色がある。
東京は下煮した種を昆布と鰹節の出汁の醤油味つゆに移すが、煮てはダメ、温めるだけ。
煮ないで味をしみさせてゆく。
鍋は大根、練り物、昆布などと整然と仕切られ「動かしちゃダメ」。
おでん酒は盃よりも厚手のコップ酒が似合う。
関西でおでんを「関東煮【かんとだき】」と言うのは、昔、焼豆腐に木の芽味噌を塗った味噌田楽を「おでんがく=おでん」と言っていたのが、関東のつゆで煮るやり方が関西に伝わり、区別して「関東煮」と呼ぶようになったとか。
異論もあり、創業弘化元年【1844】の道頓堀の老舗おでん「たこ梅」があるやんけ、となる。
「たこ梅」はつゆのある関東煮。大阪の出汁は「牛すじ」が主役で、関東のすっきりした醤油味とは違うコクが出る。
そこに鯨脂「コロ=鯨の本皮」が入れば完成。鯨の味は鯨でしか出せない。
味よりも驚くのは、無秩序にごちゃごちゃと具の入る鍋を、常にグラグラと煮え立たせていることだ。
関東のおでん屋がこれを見たら卒倒するだろう。
★メニュー★
豆腐120円
大根150円
はんぺん150円
あつあげ150円
二階堂500円
いいちこ500円
↑関東風と関西風の中間か?
↑おでんが沁みる。
↑日本酒をおでんダシで割った【おでんダシ割】。
↑屋台が好きな人は是非ここへ
店名 | さんかく |
住所 | 東京都八王子市横山町12-1 |
営業時間 | 17:00~23:00 |
定休日 | 日休 |
連絡先 | 042-686-2366 電話番号は系列店のNIKAと兼用 |
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◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規8000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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